妊婦さんは整体を受けていいのか?受ける時期や注意点について
妊婦さんからよく聞くのが、「それまで腰痛持ちではなかったのに、妊娠してからは腰が痛くて眠れないことがある」といった悩みです。
妊娠中の禁忌事項として「お腹を圧迫するような服は避けるべき」などといわれるだけに、整体の施術を受けて腰痛を軽くしたいと思いながら、
不安を感じて躊躇する方もいるのではないでしょうか。ここでは妊娠中の体の変化や悩みに触れながら、整体を受けるときの注意点などについて解説します。
妊娠中の身体の変化
女性は、妊娠すると骨盤が開くといわれます。これは赤ちゃんが産道を通りやすくするために、「リラクシン」というホルモンが分泌されます。全身の筋肉や靭帯、関節を緩めることにより、骨盤が広がる準備をするからです。
妊娠によって月経が止まり、エストロゲンによって乳腺が発達し女性らしい身体になり、子宮が大きくなります。乳腺の発達を助けるプロゲステロンの作用で妊娠期を過ごし、リラクシンによって骨盤が開きます。出産を迎えるとオキシトシンによって分娩時に子宮を収縮させて、母乳が出やすくなります。赤ちゃんが生まれてからはプロラクチンが母乳を作るのを助けます。
このように妊娠中はリラクシンをはじめ、さまざまなホルモンによって身体が変化するため、腰痛や肩こりといった不調を感じることが多くなります。
尿漏れの悩み
妊娠して8~10か月あたりの後期になると、赤ちゃんの成長とともにお母さんのお腹も大きくなります。出産が近づくと赤ちゃんは下がりはじめて、子宮が膀胱を圧迫するため頻尿や尿漏れを起こしやすくなります。
骨盤の底にある筋肉「骨盤底筋群」は、排泄にも関わっています。妊娠中に子宮を支えて伸びてしまい緩んだ状態から戻りにくくなると、尿漏れや排便障害などを引き起こします。くしゃみをしただけで軽い尿漏れを訴えるのも、骨盤底筋群の緩みが原因のひとつとされます。
整体を受けられる時期
妊婦さんは、女性ホルモンの影響や骨盤底筋群の緩みだけでなく、お腹が大きくなるとともに重心の位置が変わります。バランスをとるため、普段使わない筋肉を使うことにより腰痛を起こしやすくなります。痛みがひどくなれば、整体に行きたいと思うのは当然な流れでしょう。
妊娠中も、整体施術を受けることは可能です。整体を受ける時期は、安定期とされている妊娠16週目以降から、8か月目のお腹が大きくなる時期より前を目安にしてください。また整体院によっては、妊婦さんの施術を行わない場合もあるので事前に確認しましょう。
また妊婦さんの健康状態には個人差があるため、整体やマッサージなどの施術を受ける際は産婦人科の医師や助産婦に相談したうえで判断してください。
お腹の赤ちゃんに影響はないのか?
妊婦さんに対応している整体院の多くは、妊娠初期の施術を推奨していません。まだ胎盤が完成していないため、刺激が強すぎるとお腹の赤ちゃんに影響が出るかもしれないからです。ただし施術は可能なので、刺激を与えないように十分配慮したうえで妊娠初期でも対応している場合があります。
マタニティ整体とは
妊婦さんに対応した施術を「マタニティ整体」と呼びますが、整体院によって内容はさまざまです。一般的には、安定期とされる妊娠5カ月(16週)ごろから臨月といわれる妊娠10か月(36週)前を対象にしており、出産してからは「産後整体」となります。
マタニティ整体は、お腹が圧迫されないように配慮して施術を行います。基本的には抱き枕を使い、母体が安定しやすくして横向きで行います。状況によっては仰向けになることもあります。
お腹を圧迫するうつ伏せで行うことはまずありません。また赤ちゃんへの影響を抑えるため、関節を「ボキボキ」させるような刺激の強い施術や、圧力を加えすぎる施術も行いません。
マタニティ整体で骨盤をケアすることにより、腰痛対策だけでなく尿漏れの改善が期待されます。
逆子を改善させる整体施術
お腹の赤ちゃんが子宮口に頭を向けていると、出産時にスムーズに生まれやすいのですが、子宮口の方に動きの激しい足がある状態を逆子といいます。妊娠30週ごろまでは胎内で赤ちゃんが自由に動く余裕があるため、逆子から自然に頭を向けることもあります。それでも定期検診で逆子だと診断されると不安なものです。
個人的にできる対策として「逆子体操」などがありますが、マタニティ整体による逆子改善効果も期待されています。
まとめ
妊婦さんでも十分に配慮すれば、整体を受けられることがおわかりいただけたのではないでしょうか。いろいろな整体院があるので自分に合ったところを探してみましょう。たとえば「厚木腰痛肩こり整体研究所」による逆子を改善させる整体施術では、妊婦さんの歩く動作を入念に観察します。独自のAS検査法を用いることで状態を把握し、できるだけ負担をかけずに「最小限の施術」を行い、逆子改善の実績をあげています。