自律神経が乱れる原因について
「朝起きられない」「頭がぼーっとする」といった不調を感じながら原因がよく分からないといった経験がありませんか。
もし自律神経の乱れによる症状だとすれば、生活習慣の見直しや整体施術などの方法で不調の改善が期待できます。
ここでは自律神経が乱れる原因やそれによって起きる症状について解説します。
自律神経とは
人は神経により、すべての器官の働きを維持しています。大きく分けて身体を動かすための「運動神経」と味や臭い、痛みなどを脳に伝える「感覚神経」そして「自律神経」の3つがあります。
心臓は寝ているあいだも脈を打ち、肺により呼吸をしているように胃腸や肝臓といった内臓をはじめ血圧や汗、筋肉などは意識しなくても動き続けていいます。それらすべてをコントロールして体内の環境を整えるのが自律神経です。
交感神経と副交感神経
自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は日中に運動や仕事をするとき働いて身体を活発に動かそうとするため、車のアクセルによくたとえられます。一方の副交感神経は食事するときや夜眠っている間に働いて身体を休ませてリラックスさせるためブレーキにたとえられます。
人の身体は状態を一定に保とうとするホメオスタシス(恒常性)があり、自律神経はその機能のひとつとされます。夏や冬で気温の差が大きいときも、体温をある程度一定に保てるのはそのおかげなのです。自律神経は外部環境だけでなく、日常生活におけるストレスに対しても働くため心拍数や呼吸の強弱に影響します。
脳と自律神経
自律神経と脳は、密接に関係しています。視床下部は脳の中心あたりに位置する間脳にあり、自律神経系を調節するために機能しています。外気温が上昇したときに体温を調節するため、汗を出し、危険を認知したときに心拍数が上がってドキドキするのは、視床下部が交感神経に指令しているからです。逆に緊張状態から解放されてリラックスするときには、視床下部が副交感神経に脱力するよう指令を出します。
自律神経の乱れ
交感神経と副交感神経のバランスがとれていると、基本的に健康な状態といえます。ただしバランスが崩れたときに、自律神経の乱れから体の不調をまねくことが考えられます。では自律神経はどのようなことから乱れるのでしょうか。
自律神経は、精神状態によっても変化します。たとえば怒ったときは、交感神経が働いて血圧が上がります。呼吸が荒くなれば、楽しいことがあって愉快になると、副交感神経が働いて血圧が下がり脱力します。普段の生活ではそれぞれが適切に働き、バランスがとれた健康な状態にあります。
ところが環境の変化や人間関係などによってストレスを感じる状態が続くと、交感神経が働き過ぎて自律神経のバランスが崩れてしまいます。そのため病院の検査などでは特定できない、原因不明な体の不調をきたす可能性が考えられます。
自律神経の乱れから起きる症状
自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスがくずれることによってきたす、体の不調の総称です。原因としてストレスのほかに更年期障害(更年期によるホルモンの乱れ)や先天的要因が考えられますが、検査データによる特定が難しいため自律神経失調症と呼ばれます。
症状としては、全身の倦怠感や顔の火照り,四肢の冷え、不眠症、肩こり、精神不安、イライラなどがあり、頭痛、めまい、のぼせ、動悸、息切れ、立ちくらみから下痢や便秘まで部位や程度もさまざまです。
生体リズムを調節する体内時計が正常に働かないと、自律神経失調症や生活習慣病になりやすいといわれます。毎日決まった時間に起きて、起床後1時間以内に朝食をとり、昼食前に軽い散歩をするといった生活パターンの改善も、自律神経の乱れを予防する効果が期待されます。
自律神経調整によるメリット
背骨の中には、脳から連続する中枢神経・脊髄があり、自律神経もその近くを通っています。そのため猫背状態が続き背中が丸まって背骨が歪むと、自律神経の乱れにつながります。
整体施術で自律神経調整を行えば、頭蓋(とうがい)と背骨の歪みが整い、緊張状態にある身体や脳を緩和させ、交感神経を抑えることで不調改善が期待できます。
まとめ
自律神経の乱れによる症状は、慢性化していることが少なくありません。原因となるストレスに心当たりがあっても解消できるとは限らないため、身体の不調を感じながらどうしたらよいか分からないこともあるでしょう。
ウォーキングなど有酸素運動や筋トレを取り入れる、就寝前にスマートフォンやパソコンなどブルーライトを発光するものを見ないようにすることも必要です。また自律神経について詳しく知ることで、自分に合った対策を考えることをおすすめします。
整体施術を受ける場合は、前もってホームページを見るなどして、自律神経調整にどのような施術を行うのか、よく確認したうえで整体院を選ぶようにしましょう。